格安SIMは大手キャリアに比べて、スマホの月額料金を大きく抑えることができます。ですが、デメリットも理解しておかなければ思わぬ後悔をしかねません。
そこで本記事では、格安SIMで注意すべきことについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にしていただき、格安SIMへ乗り換えをするべきなのか検討しましょう。
格安SIMとは?
格安SIMとは、大手キャリアよりも格安で契約できるスマホ通信サービスのことです。
SIMというのは、電話番号などの契約情報が記録されているパーツのことです。「SIMの契約=スマホ回線の契約」のことで、つまり格安SIMとは通信料などが格安のサービスということになります。
格安SIMで注意すべきこと7選
格安SIMはその名の通りスマホ利用にかかる料金の安さが特徴です。そのため、安さを重視しているのであれば、大手キャリアのdocomoやau、SoftBankよりもおすすめの選択となります。
ですが、格安SIMは大手キャリアにはないデメリットがあります。しっかりとデメリットを理解したうえで利用しましょう。
①大手キャリアより通信速度が遅め
格安SIMにはさまざまな種類があり、その中でもMVNOは通信速度が遅くなることがあります。まずは、格安SIMの種類ごとの通信速度を表にまとめました。
格安SIMの種類
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主な通信事業者・プラン名
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通信速度
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MVNO
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mineo
OCNモバイルONE
IIJmio など
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昼の12時などに遅くなりやすい
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大手キャリアのサブブランド・オンラインプラン
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ahamo
LINEMO
povo
ワイモバイル
UQモバイル など
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大手キャリアと同程度
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特にMVNOの場合、昼の12時あたりに速度が遅くなりやすいため注意しましょう。
一方、povoやahamoなど大手キャリアが提供している格安SIMであれば速度面に不安要素はありません。
②無料のキャリアメールが使えない
大手キャリアから格安SIMに乗り換えると、これまで使用していたキャリアメールのメールアドレスをそのまま使うことはできません。
キャリアメールとは「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@au.com」「@softbank.ne.jp」などのメールアドレスのことです。
有料のオプションでキャリアメールを引き継ぎすることもできますが、無料で同じメールアドレスを使用することはできないため注意しましょう。
基本的に格安SIMに切り替えた場合は、Gmailなどのフリーメールアドレスを主に利用することになります。
③支払いはクレジットカードが主流
格安SIMの支払いはクレジットカードが主流となっています。口座振替やデビットカードに対応している格安SIMは少数なので注意が必要です。
もしクレジットカードを持っていない、別の方法で支払いたいという場合は、最初に支払い方法をチェックしておきましょう。
④LINEの年齢認証に対応していない場合がある
格安SIMの種類によっては、LINEの年齢認証に対応していない場合があります。年齢認証ができないと、LINEでID検索ができなくなります。
LINEのID検索を頻繁に活用している方は、事前に年齢認証に対応している格安SIMなのか確認したうえで契約しましょう。
⑤対応端末の見極めが難しい
格安SIMは対応端末を自分で見極める必要があります。
格安SIMを提供している一部の通信事業者はスマホの販売を行っておらず、自分でスマホを用意する必要があります。その場合は、自分で用意するスマホが、格安SIMにて利用できるかチェックしなければいけません。
格安SIMのホームページなどに記載されている「動作確認端末」から、自分の使いたいスマホが掲載されているか確認したうえで、契約しましょう。
もし、自分でスマホを用意するのが不安な場合は、スマホの販売を行っている格安SIMの利用をおすすめします。
⑥実店舗が少ない
格安SIMを提供している通信事業者は大手キャリアに比べると実店舗が少ないという傾向があります。
店舗数の多い格安SIM事業者もありますが、全体的には安い料金を実現するために、テナント料や人件費を削減する目的で最小限の店舗数で展開するケースが多いようです。
契約はオンラインで行うことが多く、トラブルが発生した際も、ある程度は自分で解決する力が必要となります。
実店舗がないと不安という方は、近くに店舗があるかどうかしっかりと確認しておきましょう。
通信事業者によっては一切店舗を持っていなかったり、実店舗でのサポートを行っていなかったりするので、注意してください。
⑦初期設定は自分で行う必要がある
格安SIMの初期設定は自分で行う必要があります。なお、初期設定とは主にAPN設定(端末にインターネットの接続先を認識させる設定)を指します。
大手キャリアでは、基本的にキャリア自身が販売するスマホを利用するため、APN設定は不要です。これに対し格安SIMでは自分でスマホを用意することが多いため、APN設定が必要です。
APN設定方法は格安SIMのホームページに記載されていますが、スマホの扱いに慣れていないと面倒に感じるかもしれません。
不安な場合は、店舗がある格安SIMでスタッフと相談しながら契約を進めましょう。
ニーズ別!格安SIMの後悔しない選び方
ここからはニーズ別に格安SIMの選び方を紹介していきます。「どの格安SIMを選べばいいのか分からない」という方はぜひ参考にしてください。
携帯電話番号が必要なら…
携帯電話番号が必要なら、データ専用プランではなく音声通話付きのプランを選びましょう。
格安SIMには主に以下の3種類のプランが提供されています。
- 音声通話付きプラン
- データ専用プラン
- SMS付きプラン
私たちが一般的にスマホと称しているものは、音声通話付きプランです。電話番号が発行され、通常通り音声通話やデータ通信など、基本的な機能を利用できます。
当然大手キャリアなどから乗り換える場合も、これまでと同様の電話番号を引き続き使えます。
データ専用は、電話番号が発行されず、ネット通信だけが行えるプランです。音声通話付きプランと比べると、月額料金が安いのが大きな特徴です。
音声通話を利用しない、電話番号は必要ないと考えているなら、データ専用SIMを利用しましょう。
SMS付きプランは、音声通話はできませんが、SMS用に電話番号の発行だけされるプランです。データ専用プランにSMS機能が付いていると考えれば分かりやすいかと思います。
「音声通話は利用しないけど、SMS認証などは頻繁に使う」という方はこのプランを選択しましょう。
できるだけ安く抑えたいなら…
できるだけ費用を抑えたいなら、自分の使い方に合ったデータ容量を選ぶことが大事です。
格安SIMでは前述の「音声通話付きプラン」「データ専用プラン」「SMS付きプラン」を選んだ後に、容量を選ぶのが一般的です。
ただし、格安SIMによって対応の容量は異なりますし、料金にも違いが出てきます。
例えば、LINEMOでは3GBと20GBのプランしか提供していないため、毎月10GB前後を使用する人にとっては最適なプランとは言えないかもしれません。
反対に、毎月の通信量が3GB以内や20GB弱に収まる人にとっては、容量に無駄がなくてお得と言えます。自分の使い方に適したプラン・格安SIMを選びましょう。
通信速度を重視するなら…
通信速度を重視するなら、大手キャリアが提供している格安SIMがおすすめです。
大手キャリアが提供している格安SIMは以下の通りです。
- ahamo
- LINEMO
- povo
- ワイモバイル
- UQモバイル
前述したように、大手キャリアが提供している格安SIMは通信が安定しています。これに対し、MVNOは時間帯によっては速度が遅くなりやすいため、利用の際は注意しましょう。
クレジットカードを持っていないなら…
クレジットカードを持っていない場合は、口座振替やデビットカードに対応した格安SIMを選びましょう。
クレジットカード以外で支払いができる主な格安SIMは以下の通りです。
格安SIM
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対応している支払方法
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IIJmio
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クレジットカード・口座振替
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mineo
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クレジットカード(eo光ネットを口座振替で利用している場合は口座振替も可能)
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楽天モバイル
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クレジットカード・デビットカード・口座振替
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LINEMO
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クレジットカード・口座振替
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ahamo
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クレジットカード・口座振替
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なお、格安SIMによっては口座振替に対応していても、利用できる銀行が限られている場合があるので注意しましょう。
対面サポートが必要なら…
対面によるサポートが必要なら、実店舗がある格安SIMを選びましょう。
トラブルが発生した際にすぐにサポートを受けられるように、できるだけ自宅から近くに実店舗がある格安SIMを選ぶと良いです。
なお、LINEMOやpovoは大手キャリアが提供していますが、オンライン専用のプランとなっており、実店舗での契約はできないので注意しましょう。
おすすめの格安SIM5選
ここからはおすすめの格安SIMを5つ紹介します。
- povo
- 楽天モバイル
- IIJmio
- mineo
- HISモバイル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
povo
povoはauが提供している格安料金プランです。大手キャリアのauが提供していることもあって、回線は非常に安定しています。
0円で契約できるのも大きな魅力です。基本料金が0円で、そこから自分の好きなようにデータをトッピングするシステムとなっています。
柔軟にデータを購入して、お得にスマホを使いたいならpovoを契約してみてはいかがでしょうか。なお、店舗サポートが受けられないのがデメリットとなるので注意してください。
格安SIM名
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povo
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種類
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auの格安料金プラン
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店舗
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なし
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支払方法
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クレジットカード
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プラン
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基本料金:0円
データ使い放題(24時間):で330円
データ追加1GB(7日間):390円
データ追加3GB(30日間):990円
データ追加20GB(30日間):2,700円
データ追加60GB(90日間):6,490円
データ追加150GB(180日間):12,980円
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楽天モバイル
楽天モバイルは他社と比べ月額料金が安いため、格安SIMの1つとして知られています。格安SIMの中では珍しく、データ容量を無制限で利用できるのが大きな特徴です。
また、使用容量が少ない人でも3GBまでなら1078円、20GBまでなら2,178円と、使用したデータに合わせて月額料金が変化します。
そのため、無制限の格安SIMを探している人はもちろんのこと、月によって使用するデータ量が違う人にもおすすめです。
格安SIM名
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楽天モバイル
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種類
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楽天モバイル(MNO)が提供しているプラン
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店舗
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全国に1,000店舗以上
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支払い方法
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クレジットカード・デビットカード・口座振替
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プラン
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3GBまで:1,078円
3GBから20GBまで:2,178円
20GB以降(無制限):3,278円
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IIJmio
IIJmioは幅広いプランを提供しており、どれも価格が安いのが大きな特徴です。音声通話付きプランはもちろんのこと、データ専用プランやSMS付きプランなども提供しています。
データシェアなどの便利な機能もあり、家族間でデータをシェアして無駄なくお得に運用ができるのも魅力です。
シンプルに月額料金が安い格安SIMを探している人、家族で格安SIMに乗り換えようと考えている人などにおすすめです。
なお、デメリットとしては店舗がないという点が挙げられます。契約自体はビックカメラやソフマップなどで可能ですが、一部の手続きについては契約後の店舗サポートを受けられないため注意しましょう。
格安SIM名
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IIJmio
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種類
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MVNO
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店舗
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なし(ビックカメラやソフマップなどで契約は可能)
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支払方法
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クレジットカード・口座振替
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プラン
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2GB:850円
4GB:990円
8GB:1,500円
15GB:1,800円
20GB:2,000円
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mineo
mineoは独自サービスやオプション、キャンペーンなどが充実している、人気の格安SIMです。特に「パケット放題 Plus」というサービスが便利で、月額385円で最大1.5Mbpsのデータ通信が使い放題となります。
10GBコース以上の契約なら「パケット放題 Plus」が無料でついてきます。
そのため「低速でいいから格安でたくさんのデータを通信したい」という方におすすめです。
なお、mineoの支払方法は原則クレジットカードのみなので注意しましょう。
格安SIM名
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mineo
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種類
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MVNO
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店舗
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全国約200店舗
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支払方法
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クレジットカード(eo光ネットを口座振替で利用している場合は口座振替も可能)
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プラン
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1GB:1,298円
5GB:1,518円
10GB:1,958円
20GB:2,178円
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HISモバイル
HISモバイルはライトユーザーに特におすすめの格安SIMです。1GBを月額550円で利用でき、さらに通信量が月に100MB未満だった場合は290円と圧倒的な安さを誇ります。
低容量・低価格の格安SIMを探しているならHISモバイルを選びましょう。
ただし、支払方法がクレジットカードのみなので注意しましょう。
また、店舗はあるものの、住んでいる場所によっては遠くて通えないと言うことも考えられます。事前に店舗の場所は確認しておきましょう。
格安SIM名
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HISモバイル
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種類
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MVNO
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店舗
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全国29店舗
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支払方法
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クレジットカード
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プラン
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1GB:550円(100MB未満の月は290円)
3GB:770円
7GB:990円
20GB:2,190円
50GB:5,990円
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まとめ
格安SIMはスマホの月額料金を安くしたい場合に大いに活躍します。
ただし大手キャリアと比べると店舗が少なかったり、キャリアメールが使えなくなったりするなどのデメリットがあります。また格安SIMによっては店舗サポートが受けられない場合もあるので注意が必要です。
格安SIMそれぞれのデメリットを正しく理解して、後悔のないように乗り換えを進めましょう。