「SIMフリーとはそもそもどんなものなの?」「どうやって入手する?使い方は?」
本記事ではこのような疑問をお持ちの方に向けて、SIMフリーについて解説していきます。初めてスマホを購入する方、スマホに関する知識がない方でも分かりやすいように説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
SIMフリーの基礎知識
「SIMフリーがそもそも何を意味しているのか分からない」という方も多いかと思います。まずは基本的なことから確認していきましょう。
そもそもSIMとは?
SIMフリーの「SIM」とは、docomoやauなどのスマホの通信事業者と契約した際に、スマホに挿入されるSIMカード・eSIMのことです。SIMカード・eSIMとは契約者の情報(電話番号や通信契約など)が記録されているチップのようなものです。
docomoやauなどの通信事業者とはスマホを使うために契約をしますが、通信に関する情報は厳密にはスマホではなくSIMに入っています
スマホ本体だけではdocomoやauの回線を使ったり、電話をしたりすることはできません。SIMをスマホ本体に挿入することで初めて通信が行えるようになります。
SIMフリーとは
SIMフリーとは特定の通信事業者のSIM(正確には通信契約)に縛られない状態をいいます。このため「SIMフリースマホ」という場合、どの通信事業者のSIMでも使用できるスマホのことを指します。
スマホの種類
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内容
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SIMフリースマホ
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どの通信事業者のSIMでも使用できるスマホ
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SIMロックスマホ
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「購入先の通信事業者の回線でしか使用できない」という制限がかけられたスマホ
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SIMロック解除スマホ
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SIMロックの制限を解除したスマホ
SIMフリースマホと同じように、どの通信事業者のSIMでも使用できる
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docomoやauなどの通信事業者で契約をすると、電話番号や通信契約内容などはSIMに記録されます。そのため、SIMを別のスマホに挿し替えたとしても、契約内容をそのままに別のスマホを使うことができます。
この挿し替えに一切の制限がないのがSIMフリースマホです。SIMフリースマホであれば、docomo・au・SoftBank・楽天、どの通信事業者のSIMを挿しても使用可能です。
ただし、SIMロックスマホだと、docomoで販売されたスマホはdocomo回線、auで販売されたスマホはau回線、といったようにスマホ購入先の通信事業者の回線でしか使用できません。
なお、SIMロックスマホは、所定の手続きをすることでロックを解除できます。ロックを解除したスマホはSIMロック解除スマホと呼ばれており、SIMフリースマホと同じようにどの通信事業者のSIMでも使用できるようになります。
2021年10月以降に発売されたスマホはすべてSIMフリーに
2021年10月からはSIMロックが原則禁止となったため、2021年10月以降に発売されたスマホはすべてSIMフリーとなりました。そのため、今後新品のスマホを購入する場合は、基本的にすべてSIMフリーと考えて問題ありません。
ただし、中古ショップでスマホを購入する場合は、2021年9月以前のスマホがSIMロックされた状態で販売されていることもあるので注意しましょう。
SIMフリーのメリット
SIMフリーのメリットは以下のとおりです。
- 通信事業者の選択肢が広い
- お気に入りのスマホを使える
- 海外向けのSIMカードを使いやすい
通信事業者の選択肢が広い
SIMフリースマホだと、通信事業者の選択肢が広くなります。
SIMフリースマホはdocomo・au・SoftBank・楽天のどの回線でも使用できるため、通信事業者を乗り換えする際に機種変更をすることなく自分に合った通信事業者を選べます。
povoやahamo、ワイモバイルやUQモバイル、mineoなどの格安プランを提供している通信事業者も、回線はdocomo・au・SoftBankを使用しているので問題なく利用できるでしょう。
ただし、通信事業者によって利用可能端末は異なるため、SIMフリーだったとしても利用できない可能性があります。通信事業者を乗り換える際は、SIMフリーだとしても事前に利用可能端末を確認しましょう。また同じ通信事業者でもプランによって対応端末が異なることがあるので確認が必要です。
お気に入りのスマホを使える
お気に入りのスマホを使い続けられるのも大きなメリットです。
SIMロックスマホだと、通信事業者が限られてしまうため、別回線へ乗り換えをする時は新しくスマホを購入しなければいけません。SIMフリーなら通信事業者に縛りがないため、乗り換えをしてもお気に入りのスマホを使い続けられます。
海外のSIMカードを使いやすい
SIMフリースマホなら、海外向けのSIMカードも利用できます。
本来、海外でスマホを使えるようにするには、事前に海外用のモバイルWi-Fiを持って行ったり、大手キャリアの国際ローミングサービスを契約したりと、事前準備が必要です。
ですがSIMフリースマホなら海外の通信事業者が販売している安価なSIMカードを調達して使えます。海外での通信費用を抑えたい方にとって大きなメリットといえるでしょう
SIMフリースマホの入手方法
SIMフリースマホの入手方法は以下のとおりです。
- 通信事業者から購入する
- メーカーから購入する
- 家電量販店で購入する
通信事業者から購入する
2021年10月以降はSIMロックが原則禁止となったため、現在通信事業者で購入できる新品のスマホはすべてSIMフリーです。
通信事業者の中でも、docomo・au・SoftBank・楽天の大手キャリアは、割引の適用があるため新品のスマホを安価で購入できるのが大きな魅力です。
キャリアによって多少内容は異なるものの、以下のような仕組みで割引をしています。
- 48回の分割払いでスマホを購入する
- 2年目以降にスマホを返却する
- その後の支払いが免除される
割引の適用条件はキャリアによって異なるので、購入時に確認しておきましょう。
メーカーから購入する
SIMロックは通信事業者側で行われるものなので、通信事業者を介さずにメーカーから直接購入するスマホはSIMフリーとなります。
iPhoneならAppleStore、Xperiaならソニーストア、GooglePixelならGoogle ストアなど、メーカーから直接購入しましょう。
通信事業者から購入する場合、割引を適用しない場合の販売価格は定価よりも高くなる傾向にありますが、メーカーからは定価で購入できます。
端末の返却を考えておらず、長く使い続ける予定ならメーカーでの購入がおすすめです。
家電量販店で購入する
家電量販店でもSIMフリースマホを購入できます。
家電量販店ではスマホ購入時にポイントが付与され、さらに店舗独自のキャンペーンを開催していることもあります。そのため、キャンペーン内容によってはお得にスマホを購入できます。
ただし、家電量販店で中古スマホを購入するときは、SIMロックスマホを選ばないように注意しましょう。
2021年9月以前に発売された中古スマホは、SIMロックがされている可能性があるため、よく確認したうえで購入してください。不安な場合は家電量販店のスタッフに、SIMフリーのスマホなのか確認したうえで購入しましょう。
SIMフリースマホの選び方
SIMフリースマホは以下のポイントを確認したうえで選びましょう。
スペックは十分か?
スマホはスペックによって、利用できるアプリやカメラの画質、動作の滑らかさなどが大きく異なります。
スマホでカメラ撮影を楽しみたいなら、画素数は高いのか、光学ズームに対応しているか、ポートレート撮影はできるかなどを確認しましょう。
スマホでゲームを楽しみたいなら、CPUの性能が高く、メモリ容量が大きいスマホを選ぶ必要があります。
ストレージ容量は十分か?
ストレージ容量も確認しておきましょう。
現在はクラウド保存サービスが充実しているため、最低限のアプリしか入れない場合は64GBの容量があれば十分です。
ゲームアプリや動画のオフライン保存はたくさんの容量を必要とするため「外出先でオフラインで動画を見たい」「たくさんのゲームアプリを入れたい」と考えているなら、256GB以上の容量を持つスマホを選びましょう。
価格は手頃か?
スマホはさまざまな価格帯で販売されています。
価格が高いほど性能も高くなりますが、iPhoneのProモデルのようなスマホは、一般の人では性能を持て余してしまう場合があります。
ゲームをしない、カメラも使わない場合は5万円前後のスマホで十分使えます。また、通話やメッセージしかしない場合は1万円の格安スマホでも問題ありません。
自分の使用用途に合ったコスパの良いスマホを選びましょう。
対応周波数にも注意しよう
SIMフリースマホを購入する際は、特に対応周波数帯(バンド)に注意する必要があります。
スマホによって対応バンドは異なり、回線によっても主要のバンドは異なります。そのため回線とスマホのバンドが一致していないと、電波が繋がりにくくなります。
なお、各キャリアのLTE通信の主なバンドは1・3・8・18・19・26です。SIMフリースマホを購入する際のLTE対応バンドをチェックして、1・3・8・18・19・26の記載があれば、どの通信事業者でも通信できます。
5G通信の主なバンドはn77・n78なので、5G通信をしたい場合は同様に5G対応バンドをチェックし、n77・n78の記載があるSIMフリースマホを購入しましょう。
SIMフリースマホの使い方
SIMフリースマホは以下の流れで使います。
- SIMフリースマホを入手する
- 通信事業者と契約する
- SIMカードを挿入/eSIMを設定する
SIMフリースマホを入手する
まずはSIMフリースマホを入手しましょう。
前述したように通信事業者やメーカーなど、さまざまな方法でSIMフリースマホは購入できます。
なお、通信事業者のショップでSIMフリースマホを購入する場合は、その場でSIMの契約から挿入まですべて進められます。自分で設定をするのが苦手な場合は通信事業者のショップへ行き、契約手続きなどはすべてスタッフにお願いしましょう。
通信事業者と契約する
メーカーや中古ショップなど、通信事業者とは別の場所でSIMフリースマホを購入した場合は、自分で契約の手続きを進める必要があります。
すでにスマホは自分で準備しているため、通信事業者と契約する時は、SIMのみの発行をしてもらいます。契約後自宅にSIMカードが送られてくるのでそれまで待ちましょう。
なお、eSIMで契約をした場合は、SIMカードは送られず、契約審査終了後すぐに通信ができるようになります。
SIMカードを挿入/eSIMを設定する
SIMカードが送られたらスマホに挿入して「APN設定」を行います。SIMカードと一緒にAPNの設定方法が案内されているので、案内通りに進めましょう。
eSIMで契約をした場合も、通信をするための設定が必要です。設定方法は通信事業者によって異なりますが、おおむね「アプリから開通手続き」→「QRコードを読み取る」→「通信プランを設定する」という流れとなります。
初めての場合は手順が複雑に感じるかと思いますので、通信事業者からの案内をよく確認して進めていきましょう。
まとめ
SIMフリーは、どの通信事業者のSIMでも使用できるスマホのことです。どの通信事業者のSIMでも縛りなく使うことができるため、乗り換えをすることが多い方に非常におすすめです。