
iPhoneなどのApple製品には、通常の保証の他に「AppleCare+(アップルケアプラス)」という有償の保証制度も用意されています。この記事では特にiPhone向けのAppleCare+をテーマに、保証の内容や加入方法、利用上の注意点などについて解説します。
AppleCare+(アップルケアプラス) for iPhoneとはどんなもの?
AppleCare+ for iPhoneは、Apple社が提供するiPhone向けの追加保証オプションです。iPhone15 Proの場合、料金は月額1,580円(もしくは2年で31,800円)と比較的高額ですが、加入期間はiPhoneの修理費用が格安になる、標準の保証より手厚いサポートが受けられるなど、さまざまな保証が適用されます。
ちなみにiPhoneの標準保証とAppleCare+ for iPhoneの違いは次の通りです。
AppleCare+ for iPhoneの保証内容について、ひとつずつ見ていきましょう。
①標準保証の延長
標準保証の内容は、iPhoneの通常使用で発生した不具合(製品の欠陥)への修理対応・交換対応と無償のテクニカルサポート(ハードウェアやiOS標準ソフトウェアのインストールや起動に関する電話サポート)です。標準保証だと不具合への対応が購入後1年間、無償サポートが90日間ですが、AppleCare+ for iPhoneではこれが「加入期間中ずっと」に延長されます。
②過失や事故による修理サービス
iPhoneを落として画面を割ってしまった、水没させて動作がおかしくなったなど使用者のミスや事故でiPhoneが故障した場合に、通常の修理料金よりはるかに安い金額で修理してくれるサービスです。
AppleCare+に加入していない場合、モデルや故障内容によっては修理料金が100,000円を超えるケースもあります。AppleCare+加入の場合、保証対象の修理であれば、修理料金は12,900円となり、加入料金を足してもAppleCare+に加入しない場合の支払額よりも安くなります。
(加入料金と修理料金については後ほど詳しく紹介します。)
③バッテリーの修理保証
標準保証では有料となるバッテリーの修理(交換)も、AppleCare+ for iPhoneなら無償で対応してもらえます。
iPhoneなどのスマホに使われるリチウムイオン電池は、充電を繰り返すたびに少しずつ劣化し、容量(貯めることのできる電気の量)が減っていきます。使い方にもよりますが、1年で新品時の7割程度の容量になることも少なくありません。
このような場合でもAppleCare+ for iPhoneに加入していれば無償で新品のバッテリーに交換することができます。ただしこのサービスを利用できるのは、バッテリーの「保持容量が本来の容量の80%未満になった場合」に限られます。
④テクニカルサポートへの優先アクセス
Appleのテクニカルサポートは常に混み合っているため、サポートの待ち時間が長くなるのが普通です。しかしAppleCare+ for iPhoneの加入者はチャットまたは電話による優先アクセスができるため、非加入の場合と比べてスムーズなサポートを受けられます。
⑤紛失・盗難時の保証オプション
「AppleCare+ 盗難・紛失プラン」という別プランに加入していれば、iPhoneを紛失したり盗難にあった場合にわずかな金額で新品と交換してもらえます。ただし利用できるのは1年間に2回までです。

AppleCare+ for iPhoneに加入するには?
AppleCare+ for iPhoneの加入にはいくつかの条件があります。ここでは加入できるiPhoneのモデルに加え、加入方法、料金についても説明します。
加入できるiPhoneのモデル
AppleCare+ for iPhoneは「新規購入時」に加入するのが原則です。つまりもう新品販売されていないような旧モデルは加入することができません。
ちなみに2024年6月現在、AppleCare+ for iPhoneに加入できるのは以下のモデルです。
iPhone 15 Pro
iPhone 15 Pro Max
iPhone 15 Plus
iPhone 15
iPhone 14 Plus
iPhone 14
iPhone 13
iPhone SE(第3世代)
これより古いモデルを新品で購入することはないと思いますが、参考までに覚えておいてください。
加入のタイミングと加入方法
AppleCare+ for iPhoneに加入するタイミングは、大きく「購入時」と「購入後」に分けられます。このうち手間が少ないのは、「購入時」にiPhoneの端末代金と一緒に決済する方法です。
一方、購入後に加入する場合は「購入から30日以内」に、以下の4つの方法のいずれかで申し込みを行います。
①iPhoneから申し込む
「設定」メニューを開き、「一般」>「情報」>「AppleCare+ 保証を追加できます」とリンクをたどります。最後のメニューは購入から30日間だけ表示されます。
②オンラインで申し込む
Appleの『AppleCare プランを購入する』ページを開き、「保証の適用対象にしたい製品を選択する」をクリックしてiPhoneのシリアル番号を入力し、リモート診断を受けます。
③Apple Storeで申し込む
全国のApple Store(Apple直営店)にiPhone本体と購入証明書(Apple正規取扱店から発行されたレシート)を持参します。
④電話で申し込む
0120-277-535に電話して、ガイダンスとオペレーターの指示に従って「シリアル番号」「購入日」「Apple ID」「名前」「住所」を回答します。
加入料金
加入料金はモデルによって変わります。現在、Appleのオンラインショップから購入できる8モデルの加入料金は以下の通りです
※2024年6月 時点の情報です。
加入期間は24か月〜
現在、日本ではAppleCare+ for iPhoneの加入期間は制限されていません。毎月払いなら自動更新されるので、解約するまで保証が続きます。
一括の場合は24か月でいったん保証期間が終了しますが、あらかじめ申し出ることで延長が可能です。ただし一度契約が切れたら、再加入することはできません。

AppleCare+ for iPhoneの利用方法

AppleCare+ for iPhoneの保証を利用する場合、iPhoneをApple Storeに持ち込むか、電話やチャットで申し込みます。なおミスや事故による故障・破損の修理で利用する場合は一定額の自己負担が必要です。
①画面のひび割れ(前面のみ)の修理料金
iPhoneの破損で最も多い「画面のひび割れ」料金は、モデルに関係なく一律「3,700円」の自己負担が発生します。ちなみに保証対象外の修理料金(通常の修理料金)はモデルによって異なるため注意してください。
※2024年6月 時点の情報です。
②その他の修理料金
ガラス以外の損傷で修理する場合、自己負担額は故障や破損の内容、モデルなどに関係なく一律「12,900円」です。こちらも保証対象外の修理料金はモデルごとに異なります。
※2024年6月 時点の情報です。
③バッテリー交換の料金
バッテリーの劣化で「容量が80%未満」になった場合は無償交換を依頼できます。
※2024年6月 時点の情報です。
④盗難・紛失の保証料金
AppleCare+ 盗難・紛失プランに加入していれば、一律「12,900円」で新しいiPhoneと交換できます。
※2024年6月 時点の情報です。

AppleCare+ for iPhoneの注意点
AppleCare+ for iPhoneを利用する場合は、いくつかの注意すべきポイントがあります。
保証期間を確認
加入料金を一括で支払っている場合は、加入から24か月で保証期間が終了します。AppleCare+ for iPhoneを利用する場合、まずは保証期間内かどうかをしっかり確認しましょう。必要なら保証期間が終了する前に延長を申し込みましょう。
改造品は保証対象外
改造したiPhoneは、AppleCare+ for iPhoneの保証対象外です。具体的にはAppleのサポートセンター以外でiPhoneを分解した場合や、改造プログラムでiOSを書き換えた場合も「改造」と見なされてしまいます。
スマホ保険の活用もオススメ
AppleCare+ for iPhoneは優れた保証プログラムですが、加入できるモデルに限りがあり、加入できるのも新品購入後から30日以内のみです。
また、iPhone 15 Proなどの最新モデルを補償する場合、月額1,000円以上の料金がかかるため月々のスマホ料金と合わせると高いと思う方もいるのではないでしょうか。
実はiPhoneをトラブルから守るには、AppleCare+以外にも「スマホ保険 」という選択肢があります。月々200円から加入できるためお財布にも優しく、iPhone購入後30日を過ぎていても1年以内であれば加入できます。
iPhoneの保証を検討する際には、「スマホ保険」も検討してみてください。
※この記事は2024年6月時点の情報を、Apple社のHPをもとにまとめたものです。詳細はApple社のHPをご確認ください
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