
火災保険の満期が近づいてきて、更新をするべきかどうか迷っている人もいるのではないでしょうか?火災保険は更新手続きを行わないと無保険となり、建物や家財に万が一のことが起きても補償されません。そのため火災保険の満期が近づいてきたら 、引き続き現在の住居に住むのであれば「更新」か「他社保険への乗り換え」の検討が必要です。
この記事では「火災保険の更新手続き」の概要や更新のタイミング、更新手続きの流れについて解説していきます。
火災保険の「更新」とは?

火災保険は、満期までに更新手続き行わないと無保険となります。ここでは無保険状態になったときのリスクや、火災保険が満期を迎えたときの「更新」と「他社保険への乗り換え」の違いについて解説します。
火災保険には満期がある
火災保険が満期を迎えたのにそのままにしておくと、自動的に同じ補償内容で更新される場合もありますが、契約期間が終了してしまい無保険状態になる可能性もあります。無保険状態になると、建物・家財が火事や自然災害などで損害を受けても保険金が支払われません。
ただし、保険期間中に事故が起きた場合、補償の対象となる事故であれば、保険請求手続きが保険満期日の後であっても火災保険金は支払われます。なお保険金請求には期限があり、事故発生の翌日から3年が経過すると請求権が消滅するため、ご注意ください。
更新か乗り換えか
引き続き現在の住居に住む予定であれば、火災保険の満期の連絡がきたら「更新」か「乗り換え」をすることで無保険になる状態を避けられます。
更新とは、現在加入している保険会社と同じ保険会社の火災保険を継続することです。保険会社から連絡があり、契約の条件に問題がなければそのまま更新手続きを行い、見直しが必要であれば契約の条件を見直したうえで更新手続きを行います。
乗り換えとは、満期のタイミングで他の保険会社の火災保険に加入することを指します。乗り換えの際も、従来の契約条件で問題なければ同等の内容、見直しが必要であれば見直しをしたうえで手続きをします。

火災保険を更新するタイミング
適切な火災保険更新のタイミングはいつでしょうか?適切なタイミングのほか、更新日がわからない場合の対処法についても解説します。
自動更新される場合もある
加入している火災保険によっては、満期までに契約者または保険会社から特段の申し出がない場合、更新前と同じ契約内容で自動更新する特約がついている場合があります。
自動更新される特約がある場合は、更新手続きをする必要はありません。
更新日の1~2か月前が目安
おおむね更新の1~2か月前になると、保険会社や代理店から満期の通知が届きます。通知には現在の補償内容が表示されているため 、必ず内容をチェックしてください。
申込内容の不備があると手続きが満期までに間に合わない可能性もあるため、更新の通知が届いたら、すみやかに更新手続きを済ませるようにしましょう。
満期日がわからないときはどうすればいい?
加入している火災保険の証券を確認すれば、保険の満期日を確認できます。保険証券の保険期間に記載されている「保険始期日」が保険の開始日、「保険終期日」が保険の終了日、つまり満期日です。
なお一般的に火災保険の期間は、保険始期日の16時から終期日の16時までとなっています。終期日の16時を過ぎると無保険になるため、余裕を持った手続きを心がけてください。
保険証券がないときは、以下のような方法で確認することもできます。ただし保険証券がないと、いざというときに補償内容が確認できないため、あわせて保険証券の再発行も依頼してください。
- マイページから確認する
- 更新案内やハガキから確認する
- 保険会社や代理店に問い合わせ

火災保険更新の流れ

火災保険の更新通知が届いたら、補償内容を確認して手続きを済ませましょう。補償内容の見直しのポイントや主な手続方法を紹介します。
更新通知を確認する
保険会社や保険代理店から届いた更新通知を確認しましょう。更新通知は会社によって異なりますが、次のような方法で行われます。
- ハガキ
- メール
- 更新後のおすすめプランが詳しく記載された書類が入った封書
これらの書類が届くのは、おおむね満期日から1~2か月前が目安です。手元に更新通知が届いていないときは、保険会社や代理店に確認してみましょう。
補償内容を見直す
火災保険更新の通知がきたら、従来の契約条件のまま安易に更新せず、必ず内容を確認しましょう。その際は、主に以下の6つのポイントを見直すようにしてください。
・保険金額
物価上昇により住宅の修繕費用や家財の価格などが値上がりしているかもしれません。保険金額も妥当な金額になっているか確認しましょう。
・補償内容
自身の居住地の災害リスクに変化が生じ、ハザードマップが更新されている可能性もあります。ハザードマップとは洪水や土砂災害、津波といった自然災害が起きたときに、被害が予想される区域や避難場所、避難経路などを地図で表したものです。
ハザードマップは常にチェックしておくのが理想的ですが、満期時に補償内容をあらためて検討する際の参考にすると良いでしょう。たとえば、 「水災が増えていることから、水災リスクもカバーできる補償内容にしたい」など、補償範囲の見直しをするのがおすすめです。
・契約条件を見直す
これまで一括払いだったものを分割払いにしたい。保険期間中の保険料を抑えたいので一括払いでまとめて支払いたい、など保険料の支払方法についても更新を機に検討してみましょう。
・契約内容の確認
契約者に関する情報や、物件所在地に誤りがないか必ず確認をしましょう。契約内容が事実と異なっていると、保険金が支払われない場合があります。
・保険料の支払経路
口座引き落としで支払っていたけれどクレジットカード払いにしたいなど、支払方法変更したい人も更新は良いタイミングです。
・保険期間
火災保険の保険料は「1年契約よりも5年契約のほうが保険料が安くなる傾向があるため長期契約にしたい」などの理由で、保険期間を見直すケースもあります。
手続きを行う
補償内容が決まったら、契約手続きとなります。契約手続きの方法は大きく分けて、郵送・インターネット・代理店担当者と対面の3つがあります。それぞれの手続方法について、メリット・デメリットを見ていきましょう。
・郵送
送付された内容で問題なければ、必要事項にチェックを入れて署名のうえ郵送すれば手続きが完了します。補償内容や保険金額を変更する場合は、変更した申込書を取り寄せて手続きをします。
店舗に行ったり担当者と対面する場合には郵送の必要はありませんが、「重要事項等説明書」は必ず確認しておきましょう。
なお郵送は書類のやり取りに時間がかかるため、時間に余裕を持って手続きを進めてください。
・インターネット
インターネットは、補償内容や保険金額の確認から修正まで画面上で行えます。修正した内容に問題がなければ、画面上で手続きが完了します。
なおインターネット手続きをすると見落としがちですが、契約手続きをする前に必ず「重要事項等説明書」に目を通してください。
・対面での手続き
保険代理店の担当者がいる店舗に訪問したり、自宅や職場に来訪してもらったりして直接手続きをすることもできます。面談が必要になるためお互いの時間調整をする手間がありますが、保険金額や補償内容の変更から内容説明、手続きまでその場で完了します。
不明な点があればその場で質問できるほか、重要事項の説明も担当が行ってくれるため、火災保険に加入するうえでの注意点を見落とす心配がありません。

まとめ
引き続き現在お住まいの住居に住むのであれば、火災保険の満期がきたら更新か乗り換えをしなければなりません。
一般的に満期の1~2か月前に通知が届くため、すみやかに手続きを済ませましょう。また手続きは安易に前契約と同じ補償内容にするのではなく、保険金額や補償範囲など十分検討することが大切です。
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